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Joseph of Arimatheaアリマタヤのヨセフ

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下のフランクフルトの絵を参照ください。この右パネルに描かれているのはアリマタヤのヨセフです。彼はマルコの福音書によるとユダヤ人で地位の高い議員をやっていましたが、イエスの教えにしたがおうとしていました。彼はキリストの処刑が終わった夕方、弟子たちが逃げ出した後にもかかわらず、ピラトの所に行って、イエスの遺体の引き取りを願い、許され、イエスを布で包んで、岩を掘って作った墓に納めました。彼はのちにキリスト教の聖人とされました。とんがった帽子がユダヤ人のしるしで、この絵に描かれた男がアリマタヤのヨセフとわかるということです。

マタイは「金持ちでイエスの弟子」、マルコは「身分の高い議員」、ルカは「神の国を待ち望んでいた」「善良でただしい人」、ヨハネは「イエスの弟子でありながらユダヤ人を恐れてそのことを隠していた」人物としている。

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Joos van Cleve, The Lamentation 1524 Städelsches Kunstinstitut, Frankfurt am Main

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聖ヨセフは左手を開き、視線がアリマタヤのヨセフのほうを向いてます。聖ヨセフはキリストの死を嘆き悲しんでいることが多いのですが、アリマタヤのヨセフに対して何か意志を伝えようとしているように見えます。

左パネルの献呈者の視線も彼に向いています。

アリマタヤのヨセフはこの絵の献呈者の守護聖人ではなかったのだろうか、ゆえに献呈者の描かれた左パネルに誰も守護聖人がいないのかもしれません。

 

この帽子をかぶった男は顔付きは鋭く、もし、ピラトに物申しているなら、まったく物怖じしない態度に見えます。私には献呈者がそのようなヨセフを敬愛し、この中央パネルに加えさせたのではないかと想像します。

男はこの祭壇画の中でもっとも大きな人物です。その服の赤と下に見える黄色は画面全体の中でもひときわ目立つ色彩です。後ろ向きながら、右にねじった頭、前に差し出した右腕、一歩前に踏み出そうとする動きなど、そのポーズもひときわ目立ちます。

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